2023.02.15
カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ療法Basic編
(PDF版ではレイアウトが異なりますが、同じ内容です。)
- 適応
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- 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(非扁平上皮癌)
- 投与の詳細
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- ー(6コース以内実施)
- ※基本4コース、最大6コース終了後、増悪を認めなければベバシズマブ単剤維持療法への移行を検討する。
本レジメンについて
- 75歳未満のドライバー遺伝子変異/転座陰性、PD-L1 TPS 50%未満、もしくは不明のPS 0-1に対する一次治療において推奨されているプラチナ製剤併用療法+ベバシズマブ療法の1つである。
- 扁平上皮癌はベバシズマブによる出血の高リスクとなるため、非扁平上皮癌にのみ適用となる。
- 未治療のⅢB期、Ⅳ期の非扁平上皮非小細胞肺癌を対象にカルボプラチン+パクリタキセル療法にベバシズマブを併用することの有用性を検討したECOG4599試験1)において、主要評価項目である全生存期間の中央値はカルボプラチン+パクリタキセル療法群10.3ヵ月に対して、カルボプラチン+パクリタキセル+ベバシズマブ療法群12.3ヵ月であり、有意な延長が報告されている(ハザード比 0.79、95%信頼区間 0.67-0.92、p=0.003、Cox比例ハザードモデル)。
- Sandler A, et al.: N Engl J Med. 2006; 355(24): 2542-50.
副作用の特徴
- 中等度催吐性リスク(カルボプラチン使用時)に準じた制吐療法を実施する。
- パクリタキセルの添加剤に無水エタノールが含まれるため、アルコールに対する過敏性を確認する。
- パクリタキセルの過敏症予防のため、前投薬として投与約12〜14時間前及び約6〜7時間前の2回、もしくは投与約30分前までに投与を終了するようにデキサメタゾンの静脈内投与、投与約30分前までに投与を終了するようにジフェンヒドラミン塩酸塩の経口投与、およびラニチジンまたはファモチジンの静脈内投与を行う。
- パクリタキセルの血管外漏出による周辺組織障害は起壊死性に分類されるため、投与中は慎重に観察する。血管外漏出が生じた場合は、速やかに投与を中止し、可能な限り薬剤を吸引して留置針を抜去する。確立された対処法はないが、ステロイドの局所注射・塗布などを行い、皮膚科や形成外科へコンサルトする。
- ベバシズマブによる高血圧、出血、尿蛋白、血栓塞栓症などに対する継続的な観察も重要である。

