みんなと一緒に
音楽でトレーニング

人と音の関係

私たちは子宮の中で心拍とともに流れる低音な血流のリズム、母親の呼吸とともに動く横隔膜のテンポ、そして母親の話しかける声や子守歌を聞きながら育ちました。 そのため、赤ちゃんは母親の左胸に抱かれて心音のリズムを聞きながら、おしりをポンポンとテンポよくたたかれるとよく眠れます。 そこに母親の話しかける声や子守歌を聞けば安心するのです。マイケル・H・タウト先生によると、リズムは左脳をコントロールし、メロディーは右脳を活性化させるそうです。

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日本の音楽療法の歴史

音楽療法が日本に広まったのは1967年ごろです。
英国の音楽療法の設立者・ジュリエット・アルヴァン先生が来日し、チェロを用いた自閉症の音楽療法を紹介したことによります。
以降、独自に障がい児に対する音楽療法を行っていた加賀谷哲郎先生は、日本音楽療法協会を設立し、 さらに2001年、日野原重明先生のご尽力により日本音楽療法学会が発足しました。2017年に「第15回 世界音楽療法大会」が日本で初めてつくば市で開催され、 現在、音楽療法士の国家資格化に向けて活動が始まっています。

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Doctor's Column

「音楽療法の評価
?医師と連携して?」

音楽療法はクリニックで行う場合、医師の指示により実施しています。そのため、医師と音楽療法士とが密に連携し、子どもをトレーニングすると同時に毎回きちんと評価することが可能です。 その評価表は10項目にわたっており、主にバランスや協調運動の神経学的所見を評価していくものです。音楽療法を行う部屋に入れたかどうかなど、 評価項目は様々です。ASD(自閉スペクトラム症)の子どもは初めての場所は苦手でどうしても入り口で立ちすくんでしまいがちですが、そういう時はまず親が先に入ってみるなど工夫が必要です。

子どもが楽器や道具などに触らない場合、強引にはやらせず、まずは見守りながら親がやって見せてください。 子どもは少しずつ道具に手を伸ばして触ってくれます。こういう一つ一つの項目に対してできたら〇を、できなければ✕を、どちらとも言えない場合は△をつけていきます。 医師が音楽療法士と連携し、子どもの出来ることや、出来ないことの経過を見ることによって治療に役立てています。

評価項目 実施日
5/10 5/24 6/5 7/20
視線が合う ×
平均台歩行
………………
………………
………………

評価表の例

評価表はクリニックによって様々ですが、主にバランスや協調運動の神経学的所見を評価していくために利用されています。