大腸がん
2022.10.25

FOLFIRI(5-FU+l-LV+CPT-11)±Bev 療法Basic編

監修
独立行政法人国立病院機構 東京医療センター 薬剤部 副薬剤部長
小川 千晶先生
適応
  • 治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がん
投与の詳細
  • 1コース14日間
FOLFIRI(5-FU+l-LV+CPT-11)±Bev 療法
  • ※初回投与時は90分間で行い、忍容性が良好であれば2回目投与は60分間で行える。
     2回目投与においても忍容性が良好であればそれ以降の投与は30分間投与とすることができる。
投与の順序
図:投与の順序

本レジメンについて

  • 本レジメンは、治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸がんに対する標準療法の1つであり、本邦において広く用いられているレジメンである。
  • BICC-C Study1) によれば、FOLFIRI療法にベバシズマブを併用した第2期の追跡期間中央値は22.6カ月、無増悪生存期間中央値は11.2カ月 (mIFL+ベバシズマブ療法は8.3カ月、p=0.28、層別log-rank検定)であった。また、本治療では特にグレード 3以上の高血圧発現率が著しく高かった。
  1. Fuchs CS, et al.: J Clin Oncol. 2007; 25(30): 4779-86.

副作用の特徴

イリノテカンによる下痢は、重篤になることがあるので注意が必要である。また、イリノテカンの代謝酵素であるUGT1A1の遺伝子多型により重篤な好中球減少を招くことがある。確立した減量基準がないため、個々に適切なリスク管理を行う。
発現率は低いが、ベバシズマブによる消化管穿孔、出血、血栓塞栓症、高血圧性脳症、高血圧性クリーゼ、可逆性後白質脳症症候群などは、ときに致死的になることがあるので注意する。

【副作用の出やすい時期と相対的頻度のイメージ図】
副作用の出やすい時期と相対的頻度のイメージ図