大腸がん
2023.03.09

FOLFOX(5-FU+l-LV+L-OHP)±Bev 療法Basic編

監修
日本医科大学 付属病院 薬剤部
百瀬 未来先生
適応
  • 結腸癌における術後補助化学療法/治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
投与の詳細
  • 1コース14日間(術後補助療法では12コース実施)
FOLFOX4±Bev療法
テーブル:FOLFOX4±Bev療法
※1)進行・再発大腸がんにのみ投与可能。
※2)初回投与時に90分間で行い、忍容性が良好であれば2回目投与は60分間で行える。
  2回目投与においても忍容性が良好であれば、それ以降の投与は30分間投与とすることができる。
投与の順序
投与の順序
mFOLFOX6±Bev療法
テーブル:FOLFOX6±Bev療法
※1)進行・再発大腸がんにのみ投与可能。
※2)初回投与時に90分間で行い、忍容性が良好であれば2回目投与は60分間で行える。
  2回目投与においても忍容性が良好であれば、それ以降の投与は30分間投与とすることができる。
投与の順序
投与の順序

本レジメンについて

  • 大腸がん術後補助療法、進行・再発大腸がん、いずれにも推奨されている治療法である。
  • stageⅡ/Ⅲ結腸癌の術後補助療法として実施されたMOSAIC試験1)では、FOLFOX4療法の5年DFS(主要評価項目)は73.3%(LV5FU2療法は67.4%、ハザード比 0.80、95%信頼区間 0.68-0.93、p=0.003、Cox比例ハザードモデル、層別log-rank検定)、6年OS(副次評価項目)は78.5%(LV5FU2療法は76.0%、ハザード比 0.84、95%信頼区間 0.71-1.00、p=0.046、Cox比例ハザードモデル、層別log-rank検定)と報告されている。
  • 転移性結腸・直腸がんを対象とし、一次治療としてのオキサリプラチン基本の化学療法に、ベバシズマブを併用する事の有用性を検証したNO16966試験2)において、ベバシズマブ併用群のPFSは9.4カ月、プラセボ群では8.0カ月であり、ベバシズマブ併用群で有意に延長したと報告されている(ハザード比 0.83、95%信頼区間 0.72-0.95、p=0.0023、Cox比例ハザードモデル、層別log-rank検定)。
  1. André T, et al.: J Clin Oncol. 2009; 27(19): 3109-16.
  2. Salt z LB, et al.: J Clin Oncol. 2008; 26(12): 2013 -9.

副作用の特徴

オキサリプラチンによる末梢神経障害の早期発見と予防が重要である。また、ベバシズマブによる高血圧、出血、血栓塞栓症などに対する継続的な観察も重要である。

【副作用の出やすい時期と相対的頻度のイメージ図】