肺がん
2022.09.26

ペメトレキセド単剤療法Basic編

監修
和歌山労災病院 薬剤部 薬剤部長
下川 福子先生
適応
  • 切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌(非扁平上皮癌)
投与の詳細
  • 1コース21日間
ペメトレキセド単剤療法

本レジメンについて

  • PS 0-2に対する二次治療以降で推奨される細胞傷害性抗癌薬単剤療法の1つである。
  • 非扁平上皮癌にのみ投与が推奨されている。
  • 化学療法歴のあるⅢ期、Ⅳ期の非小細胞肺癌を対象にドセタキセル療法とペメトレキセド療法を比較したJMEI試験1)において、主要評価項目である全生存期間の中央値はドセタキセル療法群7.9ヵ月、ペメトレキセド療法群8.3ヵ月であり、ドセタキセル療法に対するペメトレキセド療法の非劣性は証明されなかったが同等の効果が報告されている(ハザード比 0.99、95%信頼区間 0.82-1.2、p=0.226(非劣性)、Cox比例ハザードモデル)。同試験を組織学的に後方視的解析した結果、OSは非扁平上皮癌でそれぞれ9.3ヵ月と8.0ヵ月と有意差が報告されている(ハザード比 0.78、95%信頼区間:0.61-1.00、p=0.047、Cox比例ハザードモデル)2)
  1. Hanna N, et al.: J Clin Oncol. 2004;22(9):1589-97.
  2. Scagliotti G,et al.: Oncologist.2009;14(3):253-63.

副作用の特徴

  • ペメトレキセドによる副作用を軽減するために、下記のように葉酸及びビタミンB12を投与する。
    • 葉酸:ペメトレキセド初回投与の7日以上前から1日1回0.5mgを連日経口投与する。ペメトレキセド投与中止の際は、ペメトレキセド最終投与日から22日目まで可能な限り経口投与する。
    • ビタミンB12:ペメトレキセド初回投与の少なくとも7日前に1回1mgを筋肉内投与する。その後、ペメトレキセド投与期間中及び投与中止後22日目まで9週(3コース)毎に筋肉内投与する。
【副作用の出やすい時期と相対的頻度のイメージ図】
【副作用の出やすい時期と相対的頻度のイメージ図】