多発性骨髄腫
2026.02.02

Bd療法Basic編

監修
大阪市立総合医療センター 薬剤部 副部長 
中尾 將彦先生
適応
  • 多発性骨髄腫
投与の詳細
  • 1コース21日間
Bd療法

本レジメンについて

  • 移植適応・非適応の未治療の多発性骨髄腫、再発・難治性の多発性骨髄腫に対して選択肢となる寛解導入療法である。
  • 65歳以下で未治療の多発性骨髄腫患者を対象に、Bd療法、Bd療法+DCEP(デキサメタゾン+シクロホスファミド+エトポシド+シスプラチン)地固め療法、VAD(ビンクリスチン+ドキソルビシン+デキサメタゾン)療法、VAD療法+DCEP地固め療法の4群に無作為化し、自家造血幹細胞移植併用大量化学療法を実施したIFM2005-01試験1)において、主要評価項目である寛解導入療法後のCR/nCR率はBd療法(Bd療法群、Bd療法+DCEP療法群)14.8%、VAD療法(VAD療法群、VAD療法+DCEP療法群)6.4%であり、有意差が報告されている(p=0.004、χ2検定)。
  • 79歳以下で再発・難治性の多発性骨髄腫患者を対象に、Td(サリドマイド+デキサメタゾン)療法とBd療法を比較したJCOG0904試験2)において、主要評価項目である1年無増悪生存率(PFS)はTd療法群31.8%、Bd療法群45.5%であった。Bd療法群を基準としたTd療法群のハザード比は1.76(95%信頼区間0.92-3.37、Cox比例ハザードモデル)であった。
  1. Harousseau JL, et al.: J Clin Oncol. 2010; 28(30): 4621-9.
  2. Iida S, et al.: Cancer Sci. 2018; 109(5): 1552-61.

副作用の特徴

  • 重篤な肺障害、心機能障害が発現することがあるので、自覚症状の確認と定期的な検査を行う。
  • ボルテゾミブによる末梢神経障害は、皮下投与にすることで頻度・重症度が軽減する1)
  • 低血圧がおこることがあるので、降圧薬投与中の患者では投与量の調整、水分補給、薬剤による支持療法を行う。
  • 腫瘍崩壊症候群の予防のため、治療開始前にリスク評価と適切な予防措置を行う。
  • B型肝炎ウイルス再活性化の予防のため、治療開始前にB型肝炎ウイルス感染のスクリーニングおよび適切な予防措置を行う。
  • ステロイドによる高血糖が生じる可能性があるため、糖尿病・耐糖能異常を合併している場合は、速効型インスリンなどによる高血糖対策を検討する。また、ステロイドによる他の副作用にも注意する。
  1. Moreau P, et al.: Lancet Oncol. 2011; 12(5): 431-40.
【副作用の出やすい時期と相対的頻度のイメージ図】
副作用の出やすい時期と相対的頻度のイメージ図