2026.02.02
BLd療法・BLd-lite療法Basic編
- 適応
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- 多発性骨髄腫
- 投与の詳細
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- BLd療法:1コース21日間、BLd-lite療法:1~9コース35日間、10〜15コース28日間
- ※9コース目以降はLd(レナリドミド+デキサメタゾン)療法を行う
・1~9コース
- *:75歳を超える患者では投与しない
・10〜15コース

本レジメンについて
- 未治療で移植適応のある多発性骨髄腫に対して推奨されている寛解導入療法である。また、未治療で移植適応のない多発性骨髄腫に対しても選択肢となる治療法である。
- 65歳以下で未治療の多発性骨髄腫患者を対象に、BLd療法を3コース行った後、BLd療法を5コース追加する群(BLd療法継続群)と自家造血幹細胞移植を行う群(自家移植群)に無作為化したIFM2009試験1)において、主要評価項目である無増悪生存期間(PFS)中央値は、BLd療法継続群36カ月、自家移植群50カ月と有意差が報告されている(ハザード比 0.65、95%信頼区間 0.53-0.80、p<0.001、Cox比例ハザードモデル、log-rank検定)。
- 未治療の多発性骨髄腫患者を対象に、BLd療法とLd(レナリドミド+デキサメタゾン)療法を比較したSWOG S0777試験2)において、主要評価項目であるPFS中央値はBLd療法群43カ月、Ld療法群30カ月と有意差が報告されている(ハザード比 0.712、96%信頼区間 0.560-0.906、p=0.0018、Cox比例ハザードモデル、log-rank検定)。また、副次評価項目であるOS中央値は、それぞれ75カ月、64カ月と有意差が報告されている(ハザード比 0.709、95%信頼区間 0.524-0.959、p=0.025、Cox比例ハザードモデル、log-rank検定)。
- BLd療法は末梢性ニューロパチーなどの有害事象が問題となるため、ボルテゾミブの投与頻度やレナリドミドの投与量などを減少させたBLd-lite療法が報告されている。65歳以上で移植非適応の多発性骨髄腫患者を対象にBLd-lite療法を行った第Ⅱ相試験3)において、主要評価項目の全奏効割合は86%、副次評価項目であるPFS中央値は35.1カ月(95%信頼区間30.9-未到達)と報告されている。
- Attal M, et al.: N Engl J Med. 2017; 376(14): 1311-20.
- Durie BGM, et al.: Lancet. 2017; 389(10068): 519-27.
- O'Donnell EK, et al.: Br J Haematol. 2018; 182(2): 222-30.
副作用の特徴
- レナリドミドは催奇形性を有する可能性があるため、医療関係者、患者とその家族が適正管理手順を必ず遵守する。
- レナリドミドによる血栓塞栓症がおこることがあるので、リスク評価を行い、必要に応じて抗血栓薬の投与を検討する。静脈血栓症のリスク因子としては、長期臥床、脱水、心不全、静脈血栓症の既往など、動脈血栓症のリスク因子としては、糖尿病、高脂血症、高血圧、高尿酸血症などが考えられている。
- レナリドミドによるアナフィラキシー、血管浮腫等の過敏症、Stevens-Johnson症候群、中毒性表皮壊死症(TEN)があらわれることがあるので、注意が必要である。
- ボルテゾミブによる重篤な肺障害、心機能障害が発現することがあるので、自覚症状の確認と定期的な検査を行う。
- ボルテゾミブによる末梢神経障害は、皮下投与にすることで頻度・重症度が軽減する。
- ボルテゾミブによる低血圧がおこることがあるので、降圧薬投与中の患者では投与量の調整、水分補給、薬剤による支持療法を行う。
- 腫瘍崩壊症候群の予防のため、治療開始前にリスク評価と適切な予防措置を行う。
- B型肝炎ウイルス再活性化の予防のため、治療開始前にB型肝炎ウイルス感染のスクリーニングおよび適切な予防措置を行う。
- ステロイドによる高血糖が生じる可能性があるため、糖尿病・耐糖能異常を合併している場合は、速効型インスリンなどによる高血糖対策を検討する。また、ステロイドによる他の副作用にも注意する。


