2022.09.26
セツキシマブ単剤療法Basic編
(PDF版ではレイアウトが異なりますが、同じ内容です。)
- 適応
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- RAS遺伝子野生型の治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
- 投与の詳細
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- 1コース7日間
- ※前投薬として、下記薬剤をセツキマシブ投与30~60分前に投与する。
・抗ヒスタミン剤(ジフェンヒドラミン塩酸塩など 経口)± 副腎皮質ホルモン剤(デキサメタゾンなど 点滴静注)
本レジメンについて
- RAS遺伝子野生型の進行・再発大腸がんにおいて、主に3次治療に用いられる。RAS遺伝子野生型で有効性が認められているため、RAS遺伝子変異の有無を確認する。
- 5-FU、CPT-11、L-OHP投与歴のある進行・再発大腸がんを対象としたNCIC CO.17 試験1, 2)において、KRAS野生型症例のPFS中央値は3.7 カ月(best supportive care[BSC]群 1.9カ月、ハザード比 0.40、95%信頼区間 0.30-0.54、p<0.001、Cox比例ハザードモデル、log-rank検定)、MSTは9.5 カ月(BSC群 4.8カ月、ハザード比 0.55 、95%信頼区間 0.41-0.74、p<0.001、Cox比例ハザードモデル、log-rank検定)と報告されている(KRAS変異型症例は、PFS中央値1.8 カ月(BSC群 1.8カ月、ハザード比 0.99 、95%信頼区間 0.73-1.35、p=0.96、Cox比例ハザードモデル、log-rank検定)、MST 4.5 カ月(BSC群 4.6カ月、ハザード比 0.98、95%信頼区間 0.70-1.37、p=0.89、Cox比例ハザードモデル、log-rank検定))。
- Jonker DJ, et al.: N Engl J Med. 2007; 357(20): 2040-8.
- Karapetis CS, et al.: N Engl J Med. 2008; 359(17): 1757-65.
副作用の特徴
- 約8割の症例に皮膚障害が認められるが、皮膚障害が強く発現した症例において高い有効性を示すことが報告されている。そのため、皮膚障害に対して適切な処置を行い、セツキシマブの投与を継続することが望まれる。
- まれに間質性肺炎が発現することがあるので、乾性咳嗽、呼吸困難などの症状がないか、注意深く観察する。

