
- どんな病気?
- どんな治療?
- どんな薬?
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どんな
セルフケア? - 家族はどんな役割?
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どんな病気?
躁状態とうつ状態を繰り返す病気です。
双極性障害は気分が激しく高まる躁状態と、ひどく落ち込むうつ状態が繰り返し現れる病気です。性格の問題ではありません。以前は「躁うつ病」と呼ばれていましたが、現在は両極端の症状を意味する「双極性障害」という病名が一般的に用いられています。100人に1人くらい、男女を問わず幅広い年齢層で発症します。うつ状態ではうつ病と区別がつきにくく、最初はうつ病と診断される場合もあります。
【双極性障害のサイクル】 Ⅰ型とⅡ型の2つのタイプ 双極性障害にはⅠ型とⅡ型があります。日常生活や仕事に大きな影響を及ぼす激しい躁状態があればⅠ型と診断されます。一方、周囲から見ると普段とは違うことがわかっても、日常生活や仕事にそれほど支障をきたさない軽躁状態の場合はⅡ型と診断されます。Ⅱ型の方がⅠ型よりも軽症というわけではなく、Ⅱ型の方がうつ状態は重くて長い傾向にあります。双極性障害の主な症状 -
どんな治療?
適切な治療で改善することができる病気です。
双極性障害は適切な治療を受ければ、症状をコントロールしながら普段の生活を送ることができる病気です。一般的に、躁状態のときは本人に病気であるという自覚が乏しく、うつ状態のときに受診するとうつ病と診断されやすくなります。正しい診断を受けるために、以前にあった躁状態の症状を医師に伝えるようにしましょう。治療期間は一般的に長期間にわたります。早期診断・早期治療が良好な経過につながるので、できるだけ早く受診することが大切です。
治療目標は症状をコントロールし、再発を予防することです。
薬物療法と心理社会的治療が、双極性障害の治療の基本です。
双極性障害の治療には、主として「薬物療法」と「心理社会的治療」があります。薬物療法は躁状態やうつ状態を抑制し、再発を予防する効果があります。心理社会的治療は病気への理解を促し、心理面や対人関係などで患者さんをサポートします。そのほかに、日常生活でのセルフケアも大切です。
双極性障害の主な心理社会的治療 -
どんな薬?
気分安定薬を中心として、症状に応じてさまざまな薬を使用します。
双極性障害の治療では、症状を改善する薬物療法が重要な役割を占めています。中心となるのは躁状態、うつ状態の両方を抑制する気分安定薬です。躁状態などに気分を穏やかにする抗精神病薬も使用されます。抗うつ薬や睡眠薬が組み合わされる場合もあります。医師と相談しながら治療することが大切です。
双極性障害の主な薬 再発予防のために、服用し続けることが大切です。
双極性障害はとても再発しやすい病気です。治療によって症状が安定すると、「もう薬はいらない」と自分で判断する患者さんも少なくありません。しかし、自分の判断で薬をやめると、再発する可能性もあります。薬には再発予防の効果があることを理解して、症状がないときでも医師の指示に従って薬の服用を続けるようにしましょう。
【薬を服用する際の注意点】 -
どんなセルフケア?
病気であることを受け入れて正しく理解しましょう。
まず患者さん自身が双極性障害という病気であることを受け入れ、病気とその治療法を理解することが大切です。躁状態のときには病気であると認めたくない傾向が強くなり、症状がない時期にはもう治ったと考えがちです。医師の指示に従って、前向きに焦らず治療に取り組んでいきましょう。
生活のリズムを整え、ストレスを避けましょう。
双極性障害の治療では、再発予防が大きな目標です。再発のきっかけとなるのは、主として自分の判断による薬の中断、生活リズムの乱れ、高すぎる目標設定、対人関係などのストレスであるといわれています。日ごろから睡眠時間をしっかり取り、食事時間を含む生活のリズムを一定に保つこと、無理な目標やノルマなどを立てず、なるべくストレスを避けることが、再発予防のためにとくに重要です。
【セルフケアのポイント】 再発の主なサイン 自分の症状を記録しましょう
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家族はどんな役割?
治療を継続していくには、家族や周囲のサポートが重要です。
双極性障害の治療を継続して回復に向かうには、家族や周囲の日常的なサポートが不可欠です。家族の方は病気と治療法を理解し、服薬や通院などにもできるだけ協力しましょう。また、患者さんに症状が現れても感情的にならないようにし、あらかじめ躁状態、うつ状態それぞれのときの接し方を確認しておきましょう。患者さんと家族の方、医療スタッフが1つのチームとなって、治療を進めていくことが大切です。
尊い命を守るために
接し方のポイント