
- どんな病気?
- どんな治療?
- どんな薬?
- どんなセルフケア?
- どんなつきあい方?
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どんな病気?
慢性的な炎症によって、気道が狭くなっている病気です。
ぜんそくは気道に慢性的な炎症があり、気道が狭くなっている病気です。炎症により気道が敏感になっているため、ダニやほこりなどのちょっとした刺激でもさらに気道が狭くなり発作が起こります。発作の症状がないときでも、気道の炎症は続いています。
【気道の断面】 【ぜんそく発作時の主な症状】 【発作を起こす原因】 【発作が起こりやすいとき】 ぜんそくは治りますか?
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どんな治療?
治療の目標は、健康な人と変わらない生活を送れるようにすることです。
ぜんそくの治療では、発作のときの苦しい症状を抑えるためだけではなく、発作を起こさないようぜんそくを長期的にコントロールしていくことが重要です。うまくコントロールできていれば、ぜんそくの症状はほとんど現れないようになり、病気のない子どもと変わらない生活を送ることができます。
日常の治療目標
最終的には治ることをめざしますが、日常的な目標は次の3点です。病気と積極的にむきあいながら、薬物療法とセルフケアを根気よく続けましょう。
とくにぜんそくの治療では、ぜんそくをうまくコントロールできているかどうかを本人や家族が把握することが重要です。そのために、毎日の症状や、睡眠、使用した薬、ピークフロー値などを記録する「ぜんそく日記」をつけるようにしましょう。症状の程度がわかるピークフロー測定
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どんな薬?
ぜんそくの薬には長期管理薬と発作治療薬があります。
ぜんそくの薬には大きく分けて、長期的に症状を改善し、発作を予防する長期管理薬(コントローラー)と発作が起こったときや起こりそうなときに使用する発作治療薬(リリーバー)があります。患者さんの年齢や重症度に合わせて、医師が薬の種類や量を決定します。
また、ぜんそくの薬には、内服薬、貼付薬、吸入薬、注射薬などさまざまな剤形があり、患者さんの症状や条件に応じて使い分けます。長期管理薬は症状がない場合でも、根気よく継続しましょう。
発作が起こったら、あわてずに対応しましょう。
ぜんそくの発作には、程度に応じて小発作、中発作、大発作があります。小発作は軽い喘鳴があっても日常生活には支障がない状態、中発作は明らかな喘鳴や呼吸困難があり、苦しそうな状態、大発作は呼吸困難が強くなり、冷汗が出て唇が蒼白になるなど非常に苦しくなる状態です。
小?中発作の場合、まず安静にして、あらかじめ受けている医師の指示に基づいて発作治療薬などを使用します。薬が効かず、悪化していく場合は、病院を受診しましょう。大発作や、強い発作時の症状(下図参照)がある場合は、直ちに病院に向かってください。 -
どんなセルフケア?
生活環境を整えて、体調を管理し体質を強化することが大切です。
ぜんそくの発作を抑えるとともに、慢性的な炎症を軽減してぜんそくを治していくために、セルフケアはとても重要です。アレルゲンなどの刺激物質を排除して生活環境を整え、規則正しい生活で元気な体をつくるセルフケアを日常的に続けていきましょう。
【アレルゲンをブロック】 【規則正しい生活をして
元気な体を】皮膚のバリアー機能ってなに?
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どんなつきあい方?
成長に合わせて、自分から進んで、治療に取り組むようにしていきましょう。
ぜんそくを発症した子どもには、成長に合わせて本人が病気を理解し、できるだけ自分で治療に取り組むように教えていきます。
子どもに任せると薬の飲み忘れが起こりやすいなど心配な面も多いのですが、家族がいつまでも世話をしていると、本人の治療に取り組む意欲や能力は向上しません。そのまま思春期になると、家族のいうことをあまり聞かなくなり、症状の悪化を招く場合もあります。小さい頃から自分で考え、やってみる機会をつくっていきましょう。
薬を忘れずに使うこと、ぜんそく日記をつけること、ピークフロー測定、ぜんそくコントロールテスト(簡単な質問に答えるとぜんそくのコントロール状態がわかるテスト)なども自分で率先して行うように習慣づけましょう。幼稚園や小学校など周囲の協力と連携を求めます。
幼稚園や小学校に通うようになると、行動範囲が広がり、家の外で発作を起こす可能性も大きくなります。本人に対処法を教えておくとともに、幼稚園や小学校に協力と連携を求め、「学校生活管理指導表(アレルギー疾患用)」などを提出したうえで、発作時の対応や普段の注意点などを相談しておきましょう。
学校生活での注意点