欧州医薬品庁(EMA)が、“サルタン系製剤(血圧降下剤)に、発がん性が懸念されるN-ニトロソジメチルアミン(NDMA)やN-ニトロソジエチルアミン(NDEA)が混入していることを指摘” して、世界中を震撼させた。
Concept コンセプト
技術革新に
妥協はいらない
この信念のもと、薬剤における発がん性リスクが懸念されているニトロソアミン類混入の一因が、空気中の極微量の窒素酸化物(NOx)であることを、我々は徹底した原因究明の過程で見出した。理想とする「東和品質」を守り抜くために、サイエンスを駆使した前人未到の10億分の1(ppb)のNOx環境下での製造を実現、ニトロソアミン類の制圧に成功した。妥協なき私たちの挑戦に終わりはない。
Movement & Challenge ニトロソアミンの動向とニトロソアミン制圧への挑戦
2018
2019
EMAは、ニトロソアミン不純物の混入を回避するためのガイダンスを開示。“ラニチジン(胃酸分泌抑制薬)からもNDMAが検出” され、日本国内の複数の製薬会社が回収を行った。シンガポール保健科学庁(HSA)が、“メトホルミン製剤(糖尿病治療薬)からNDMAが検出され、一部当該製品の自主回収が開始された” ことを報じた。米国食品医薬品局(FDA)も調査を開始。
2020
米国で、ラニチジンに続きニザチジン(胃酸分泌抑制薬)、メトホルミン製剤でのNDMA混入が発覚、リファンピシンやリファペンチンからは新たなニトロソアミン不純物が検出されて複数企業の自主回収が相次ぎ、FDAが “医薬品中のニトロソアミン混入リスク評価の実施” を勧告。
2021
NDMAに代表される低分子ニトロソアミン不純物の混入がさらに拡大、原薬自体がニトロソ(NO)化されたニトロソアミン原薬関連不純物(NDSRIs = Nitrosamine Drug Substance-Related Impurities)の混入も次々と発覚して、世界中に衝撃が走った。厚生労働省が自主点検通知を発出、製薬会社に “リスク評価(~2023年4月30日)と低減策の実施、報告(~2024年10月31日)” が義務付けられた。
“造粒工程において、メトホルミン原薬中に極微量残存していたジメチルアミンが、空気中のNOxと反応してNDMAを生成、混入に至った可能性が高い” と結論付け、厚生労働省に報告した。“厚生労働省が指定した9種類の低分子ニトロソアミン類を検出するために、該当するアミン成分をまとめ評価(カセットスクリーニング)する分析法を開発、本手法を東和アミンアプローチと名付けて、全製品の網羅的なニトロソアミン類混入リスク評価を開始” した。
2022
大阪公立大学・竹中規訓教授のご指導を仰いで、大阪工場・機械室に設置したNOx測定機で空気中の窒素酸化物濃度測定/毎分を行った結果、空気中のNOx濃度とNDMA混入量との間に相関が認められた。モデル実験系を構築して検証したところ、“NOxがNDMA生成の一因であり、大量の空気に曝露される造粒・乾燥工程でNDMAが生成することを発見(世界初)” した。グループ会社の大地化成がニトロソ関連分析受託業務を開始。
2023
FDAは、NDSRIsの推奨許容摂取量に関する最終ガイダンスを発出。厚生労働省は、2024年10月31日までとしていたリスク低減措置の実施期限を2025年8月1日まで延長する旨を通知した。
厚生労働省に実測データならびに考察結果を開示して、空気中のNOxがニトロソ化の一因であることを報告すると共に、米国化学会 Organic Process Research & Development 学術誌(ACS OPR&D誌)に論文を投稿。1) “数十ppb以上の
NOxがニトロソ体生成の一因である” とする検証結果は、世界で大きな反響を呼んだ。同時にニトロソアミン制圧を掲げ、空気中のNOxをppbレベル(10億分の1)に低減する前人未踏の領域に踏み込んだ。1)Shohei Fukuda, Kanako Kondo, Shoji Fukumoto,* Norimichi Takenaka, Osamu Uchikawa and Itsuro Yoshida:Organic Process Research & Development.2023;27(11):2123-2133

2024
FDAは、医薬品中のニトロソアミン不純物の管理に関する最終ガイダンスを発行。ニトロソアミンの2つのクラス(低分子ニトロソアミン類とNDSRIs)について説明し、ニトロソアミンを制御するための緩和戦略ならびにこれらの戦略実施についての推奨事項について述べた。
NOx吸着フィルターがNOxをppbレベルまで低減することを見出し、ACS OPR&D誌に論文を投稿。2)2)Ryota Nomura*, Takahiko Taniguchi, Kazuya Suzuoki, Rintaro Yokoi, Kanenao Akasaki, Kyoko Hirai, and Osamu Uchikawa:Organic Process Research & Development.2025;29(1):66-70
2025
ニトロソ・アトモキセチンを制圧した論文を作成、ACS OPR&D誌に投稿。3)
NOxフリー環境下で一気通貫アトモキセチン試製造を実施してニトロソ・アトモキセチン含有量0.097 ppmを達成した。
NOx吸着フィルターの実装を開始。3)Ryota Nomura*, Takahiko Taniguchi, Koji Kitada, Mamoru Otsuki, Takuma Tamai, Kazuya Suzuoki, Rintaro Yokoi, Kanako Kondo, and Osamu Uchikawa:Organic Process Research & Development.2025;29 (9):2259–2264

News 研究ニュース
- 第42 回メディシナルケミストリーシンポジウムにおいて「メディシナルケミストリーシンポジウム(MCS)優秀賞」を受賞
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2025年度 製剤と粒子設計学術賞 受賞
「ニトロソアミンとの攻防 ~原因究明から実装に至る軌跡~」 - NOxフリー環境下でニトロソ・アトモキセチン混入量を0.097 ppmに低減した研究成果をOrganic Process Research & Development学術誌に掲載
- 「インターフェックスWeek東京」のセミナーに弊社内川が登壇します。
- ニトロソアミン類の管理戦略 ~東和アミンアプローチ~ に関する研究成果をACS(米国化学会)OMEGA学術誌に掲載
- ニトロソアミン混入の一因とされる空気中の窒素酸化物NOxを低減する研究成果をOrganic Process Research & Development誌に掲載
- N-ニトロソ・デュロキセチン分析法がACS Omega誌に掲載
- 発がん性ニトロソジメチルアミン生成メカニズム解明についての研究成果がOrganic Process Research & Development誌に掲載(2023年11月30日更新)
Interview インタビュー
Our Strategy and Results 私たちの戦略と手にした結果
本質を究める
専門知識、探求心、柔軟性、判断力、実行力に満ち溢れたチームメンバーが、現状に決して満足することなく、決して諦めることなく、時を忘れて日々問題解決に果敢に挑んでいます。
微量分析を究める
高性能な最新鋭の各種分析機器を駆使して効率的な分析法を作り、“くすりの中に含まれる極微量のニトロソアミン類” を迅速かつ正確に測定して一点の曇りもない製品を世の中に送り出す取り組みを進めています。
NOx除去を究める
NOxを数ppbレベル(東京~下関間1,000 kmのうちの数mmに相当)まで低下させるために、ありとあらゆる方策を考え、試行錯誤の末に、優れたNOx除去システムを創り上げました。
製造(原薬・製剤)を究める
原薬(薬の有効成分)ならびに製剤の製造方法、設備、環境をひとつひとつ丁寧に見直して、ニトロソアミン類の混入を確実かつ未然に阻止します。
包装資材、保管を究める
ニトロソアミン類の混入が起こり得ない事を確認した包装資材を選択して、自信を持って安心安全な薬剤を世に送り出します。

構造的リスクの解決を目指す