プレスリリース
2025年08月22日
NOxフリー環境下でニトロソ・アトモキセチン混入量を0.097 ppmに低減した研究成果をOrganic Process Research & Development学術誌に掲載
東和薬品株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役社長:吉田逸郎)は、注意欠陥/多動性障害治療剤アトモキセチン錠中のニトロソ・アトモキセチン含有量を0.097 ppmに低減(許容限度値0.83 ppm)した研究成果を、米国化学会Organic Process Research & Development学術誌に発表しましたのでお知らせいたします。
【学術誌】 |
Org. Process Res. Dev. ASAP Articles |
【タイトル】 |
Three-pronged approach (API, excipients and NOx free air) successfully suppressed the formation of nitroso-atomoxetine to 0.097 ppm |
【著者名】 | 野村 亮太、谷口 孝彦、北田 幸二、大津木 護、玉井 琢磨、鈴置 和也、 横井 臨太朗、近藤 加奈子、内川 治 |
医薬品中にニトロソアミン類が検出され、製品回収に至る事例が世界各国で頻発しており、その原因究明と対策が急務とされています。
当社は、原薬および製剤製造工程における空気中の窒素酸化物NOxがニトロソアミンの生成、混入の一因であることを、一昨年末に世界で初めて発表しました(Org. Process Res. Dev. 2023, 27 (11), 2123-2133.)。
この度、一連の研究の成果として、世界で初めて、NOxを極限まで低減させた環境下でアトモキセチン錠を製造し、許容限度値を下回る製剤の製造に成功いたしました。
本研究成果は、医薬品の製造工程(原薬、製剤、環境)のあり方に一石を投じ、医薬品中のニトロソアミン混入対策の一助となることが期待されます。
今後も、高品質な医薬品を供給するための幅広い研究活動に取り組んでまいります。
以上