プレスリリース
注射用アンプル製品 自主回収(クラスⅡ)に関するお知らせ
東和薬品株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役社長:吉田逸郎)が、製造販売しております未開封アンプル内に、極微小の黒色異物片が混入しているとの品質情報1件を2025年5月に受領しました。外部試験機関にもご協力いただいて調査した結果、製造工程で混入したと推定され、翌6月に当該1ロットの自主回収を実施しております。
極微小の黒色異物片の発生原因の調査を進めましたところ、製造ラインを滅菌するピュアスチームの制御に関わる配管内の部品由来の異物片であることを特定いたしました。あわせて、製品検査工程において通常は排除されるべき異物混入のアンプルが、排除されずに出荷に至った原因の特定を進めました。
実証試験を繰り返した結果、複合的な要因により発生した事例であると推定するにいたりました。その後、当該ロットの在庫品ならびに回収品について全数目視検査を行いましたところ、品質情報のアンプル以外には異物混入がないことを確認いたしました。また過去5年間における黒色異物片混入の品質情報は本件のみです。
しかしながら、混入時期を明確に特定できないことから、同じ製造ラインで生産されている製品への黒色異物片混入の可能性を否定できず、万全を期して使用期限内のアンプル製品を追加にて自主回収することにいたしました。
このたびは、医師・薬剤師をはじめとする医療関係者さま、患者さま・そのご家族さまおよびお取引先さま・関係者のみなさまに多大なるご迷惑をお掛けいたしますこと、深くお詫び申し上げます。今回の経験を活かして、製造管理および品質管理の頑健性を強化し、再発防止に努めてまいります。
なお、極微小の黒色異物片を生じた部品の交換ならびに再発防止に向けた教育訓練などの対策を既に講じております。また、代替品の手配に尽力すると同時に、早急に生産を再開させ、供給責任を果たしてまいります。
1.回収の概要
(1)回収開始日
2025年8月20日
(2)回収対象製品
アンプル製品15製品1~3mL 98ロット
※すべてアンプル製品のため、個人の患者さまから回収はございません。
2.原因と再発防止策
(1)黒色異物の発生原因
・外部試験機関にて黒色異物はフッ素系ゴムと同定。
・工場での調査の結果、アンプル製造ラインを滅菌するピュアスチームの制御にダイアフラムバルブを用いており、表面のPTFE膜(白色のフッ素樹脂)を裏側から支える黒色ゴム部分に、同じ素材のフッ素系ゴムが使用されていることが判明。
・本黒色ゴムの極微小破片が当該ロットのアンプル充填日(2024年5月17日)にアンプルに混入したと推定。
(2)検査工程で排除されなかった原因
・異物が混入した同型のアンプルを用いて実証実験を行った結果、
1~3 mL容量のアンプルが倒れた場合、薬液と異物がアンプル本体から枝先部に移動する。検査時に倒れたアンプルを正立させても、薬液と異物が枝先部に残ることが0.1%程度の確率で発生した。
3 mL超容量のアンプルが倒れた場合、例え薬液と異物が枝先部に移動しても、正立させる際に薬液と異物は枝先部に残留せず、本体の胴部に戻ることを確認。
・この枝先に残る事象は、アンプル首部が小さな1~3 mL容量のアンプルに限定して生じた。
・1~3 mL容量において、仮に枝先部に異物が残る事象が発生すると、検査視野に相当する本体胴部での異物を検知できず排除されなかったと推定。
※ 3 mL超のアンプル製品や1~3 mL容量アンプルでも、検査前にアンプルが倒れていないことを保証できるロットについては、異物がアンプル内に混入しても検査機器で排除されると判断し、それ以外の製品、ロットを回収対象としています。
(3)再発防止策
・製造設備や検査機器については、年に一回以上の点検を実施、また使用前の日常点検により、適切に作動することを確認して使用しています。今回の当該ダイアフラムバルブの部品については、このメンテナンスプログラムに含まれておりませんでした。
・再発防止として、設備のメンテナンスプログラムを部品含めて適用し、管理体制の強化を図ります。
3.出荷再開時期
製造を再開する準備が整いました。
出荷再開時期については、医療関係者向けサイトにてご案内いたします。
以上