お知らせ

2025年07月04日

VRヘッドセットおよび『認知機能セルフチェッカー』を用いた共同研究成果が国際学術誌「Frontiers in Aging」に掲載

 東和薬品株式会社(本社:大阪府門真市、代表取締役社長:吉田 逸郎、以下:東和薬品)は、新潟医療福祉大学(所在地:新潟県新潟市、学長:西澤正豊)および株式会社FOVE(本社:東京都港区、代表取締役社長兼CEO:唐木信太郎、以下:FOVE)と共同で実施した、視線追跡型VRデバイス『認知機能セルフチェッカー』に関する臨床研究の成果が、この度、国際学術誌である [Frontiers in Aging] (発行元:Frontiers Media SA)に掲載されたことをお知らせいたします。info250704

本研究は、『認知機能セルフチェッカー』の信頼性と妥当性、およびMCI(軽度認知障害)のリスク評価における有用性を検証することを目的として、20231月より実施されました。

研究では、新潟医療福祉大学 医療技術学部の児玉直樹教授を研究実施責任者とし、鳥取大学医学部の浦上克哉教授の協力のもと、FOVEの研究技術サポート、東和薬品の研究推進サポート、協力医療機関の連携により進められました。

『認知機能セルフチェッカー』は、VRデバイス内で提示される複数の認知課題に対する利用者の視線の動きを分析し、客観的に認知機能を評価するサービスで、日本国内の医療機関を中心に広く導入が進んでいます。過去に実施した臨床研究においても、既存の神経心理学検査(MMSEMoCA-J)との高い相関性が確認されています。

 

■研究成果のポイント

   「認知機能セルフチェッカー」は、健常群と軽度認知障害(MCI)群の識別能力を評価する分析においてAUC 0.857、認知症群とMCI群の識別能力はAUC 0.870を示し、確立された既存の神経心理学検査MoCA-J(各々AUC 0.915AUC 0.878)と同等の高い評価精度を示した。

   「認知機能セルフチェッカー」の総合評価スコアは、MMSEの評価スコア(r=0.566, p<0.001)およびMoCA-Jの評価スコア(r=0.648, p<0.001)と中程度の有意な相関を示し、確立された既存の認知機能評価手法との整合性を示した。

   「認知機能セルフチェッカー」の認知課題を構成する5領域(記憶、判断、空間認知、計算、言語機能)の各領域別スコアが3群間(健康群・MCI群・認知症群)で統計的に有意な差(p<0.001)が認められ、総合スコアによる評価のみならず、領域別の多角的評価の有用性を示した。

 

■掲載論文について

   論文タイトル: Possibility of screening for mild cognitive impairment via an eye tracking-based cognitive scale

   著者: Naoki Kodama, Sou Takahashi, Masazumi Tsuji, Yuji Kawase, Satoshi Naruse and Katsuya Urakami

   掲載誌: Frontiers in Aging, Volume 6 - 2025

   発行日: 2025627

   DOI (Digital Object Identifier): https://doi.org/10.3389/fragi.2025.1532550

 

■本研究成果の意義と今後の展望

今回の査読付き国際学術誌「Frontiers in Aging」への論文掲載により、『認知機能セルフチェッカー』は、認知機能評価ツールとしての医学的な信頼性と妥当性を裏付ける新たなエビデンスを獲得しました。認知症予防においては、MCI(軽度認知障害)段階での早期発見と早期介入が極めて重要とされています。世界で最も高齢化が進む日本において、その可能性がある対象者へいかに効果的にアプローチし、医療機関への受診勧奨から連携体制を構築していくかは、喫緊の社会課題とされています。本研究成果は、特にMCI段階の評価において新たな価値を示す可能性があることを示唆しており、今後の診断支援への応用が期待されます。

東和薬品は、これからも『認知機能セルフチェッカー』に関する継続的な研究を通じて医学的エビデンスを積み上げ、その普及を一層推進することで、この重要な社会課題の解決に貢献してまいります。 

 

◆「認知機能セルフチェッカー」について

視線追跡型VRデバイス内で提示される複数の認知課題に対して、回答時の利用者の視線の動きを分析することで、客観的に認知機能を評価するサービスです。

詳細は、以下URLをご参照ください。

URLhttps://www.towayakuhin.co.jp/healthcare/lp/selfchecker/

 

<新潟医療福祉大学について>

全国でも数少ない、看護・医療・リハビリ・栄養・スポーツ・福祉・医療ITを学ぶ6学部15学科の医療系総合大学です。この医療系総合大学というメリットを最大限に活かし、医療の現場で必要とされている「チーム医療」を実践的に学ぶことができます。また、全学を挙げた組織的な資格取得支援体制と就職支援体制を構築し、全国トップクラスの国家試験合格率や高い就職実績を実現しています。さらに、医療・福祉・スポーツ分野で活躍するデータサイエンティストを養成する「健康データサイエンス学科(仮称)」を20264月に新設予定です(認可申請中)。

所在地新潟県新潟市北区島見町1398番地

URLhttps://www.nuhw.ac.jp/

 

<株式会社FOVEについて>

所在地東京都港区北青山2丁目7-26 Landwork青山ビル518

設立20145

代表取締役唐木 信太郎

事業内容

VRヘッドセット及び視線追跡技術を利用した医療機器

・ヘルスケア機器開発

VRヘッドセット及び関連ソフトウェアの販売

VRヘッドセット開発及び視線追跡技術活用に関するコンサルティング及び技術ライセンスの提供

URLhttps://fove-inc.com/

 

<東和薬品株式会社について>

東和薬品は、患者さんの経済的負担や国の財政負担の軽減に貢献するジェネリック医薬品の普及に向け、研究開発・製造・販売を行うジェネリック医薬品の総合メーカーです。また、「人々の健康に貢献する」という企業理念のもと、「健康の維持」や「病気になる前の状態(未病、MCIなど)を健康な状態に戻す・または悪化させない」といった健康に関する取り組みをおこなっています。「健康寿命の延伸」に貢献し、いつの時代も世の中や地域社会に必要とされる企業を目指します。

詳細はこちらをご参照ください。

URLhttps://www.towayakuhin.co.jp/

以上

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