IR・投資家情報

統合報告書

統合報告書 2023

東和薬品が応える社会課題

世界でも高い充実度を誇る、日本の国民皆保険制度。この制度を維持していくには、一人ひとりが医療費を節約しなければなりません。その点、「ジェネリック医薬品を選ぶ」ことは、誰もが簡単にできる節約法であり、身近なところでできる社会貢献のひとつです。当社では、ジェネリック医薬品事業をコア事業としつつ、人々の健康に貢献する関連事業を創出していくことで、社会課題に応えていきます。

課 題ジェネリック医薬品で
医療費の削減に貢献

これからも国民皆保険制度を維持するために

日本は高齢化と医療の高度化を背景に、毎年約1兆円のペースで医療費が増え続けています。厚生労働省の試算では、2025年には60兆円を超えると予測されています。一方で、保険料や税金等を支える労働人口が減少していることから、制度設計の前提が崩れかけています。このまま試算通りに医療費が膨らみ続けると、今まで当たり前に受けられた医療が受けられなくなったり、窓口負担や税金が上がったりという事態が想定されます。今後、国民皆保険制度を維持していくため、医療費の増大に歯止めをかけることが欠かせません。

厚生労働省発表「平成27年度国民医療費の概況」
「第76回社会保障審議会 医療保険部会 資料」

ジェネリック医薬品の選択で医療費を抑制

ジェネリック医薬品を選択することで、医療費(薬剤費)の負担を抑えることが可能になります。個人の薬剤費の負担を減らすことができるとともに、国の負担、健康保険組合の負担も合わせて軽減することができます。
たとえば、1年間に使われる医薬品のうち、変更可能なものをジェネリック医薬品にするだけで、約1.7兆円の薬代を節約できます。
※厚生労働省「令和5年度 薬価基準改定の概要」7ページ

薬の価格の比較(イメージ)

ジェネリック医薬品に対する信頼の回復に向けて

一部製薬会社における、医薬品、とりわけジェネリック医薬品の信頼を著しく失墜させた違法行為は誠に遺憾です。信頼を何よりも重んじる当社において、一連の事態を重く受け止めています。
今後、同じ業界に属する当社としては、ジェネリック医薬品に対する信頼の回復に向けて、製造管理・品質管理の徹底、コンプライアンス・ガバナンスの徹底を図る取り組みを不退転の決意で進めてまいります。
そして、信頼回復の取り組みを必ず成功させ、すべての患者さまに安心して使用していただけるジェネリック医薬品が市場に流通する状況を実現してまいります。

患者さまの声に応える医薬品づくり

当社では、さまざまな疾患領域をカバーするため、750品目以上の医薬品をラインナップしています。「ひとりでも多くの患者さんに役立ちたい」という思いのもと、医療現場からの声やご要望に応えて改良を加えつつ、付加価値のあるジェネリック医薬品の提供にまい進しています。その一環として、お子様や高齢者でも飲みやすいよう形や味の改良や、病院や薬局で取り扱いやすいよう、視認性や、光・温度・湿気に対する安定性の向上など、さまざまな工夫を施して常により良い製品づくりを目指しています。

  • 生産品目770以上
  • 生産数量129億錠
  • 研究開発費141億円
  • 設備投資額148億円

東和薬品の技術イノベーション

RACTAB技術
溶けやすさと硬さという相反する性質の両立を追求し、水なしでも飲めるOD錠(口腔内崩壊錠)をつくるための、当社独自の技術です。高齢などで飲みこむ力が弱い、もしくは水分摂取を制限されている患者さまにも、飲みやすいお薬をお届けしたい。また、外出先などどこでも必要なときに水なしでも飲めるお薬をつくりたい。こうした願いから開発しました。
FINEST-Pow FINEST-Gran FINEST-Core
服用時の苦味抑制や徐放性など、さまざまな機能を機能性粒子に持たせるためのコーティング技術です。これによって苦味を感じにくくなり、より飲みやすいお薬となるよう、苦味を包み込む効果を発揮します。原薬の苦味抑制を始め、徐放性や腸溶性、分散性向上など持たせたい機能に合わせて、3種類のコーティング技術を生み出しました。
ARTICRE技術
規則正しく並んでいる原薬の原子を、不規則に並んだ状態あるいは分散させて、薬の溶解性を向上させる技術です。安定性の低いものや溶けにくい原薬がある中で、原薬を担体となるポリマーなどの水溶性高分子中に分散。これにより、原薬は担体にからめとられることで安定性が改善。また、原薬の結晶の状態が変化、あるいは分散するため溶けやすくなります。

課 題健康寿命の延伸と
疾病予防に貢献

健康寿命の延伸と疾病の予防

超高齢化社会を迎えている日本では、人生100年時代に向けた健康寿命の延伸が重要な課題となっています。健康寿命とは、WHO(世界保健機関)が2000年に提唱したものです。従来、0歳児が何年生きられるかを表した平均寿命が重視されてきましたが、近年、健康に生活できる期間である健康寿命が注目されています。健康寿命の延伸に向けては、疾病を予防し、健康で活動的な毎日を過ごすことが大切といえます。
また、医療費の抑制という観点からも健康寿命の延伸が欠かせないものとなっています。

健康寿命の延伸に向けて最適のソリューションを提供

当社が目指すのは、「人生100年時代に向けた総合ヘルスケアカンパニー」として健康寿命の延伸に寄与することです。ジェネリック医薬品の製造販売にとどまらず、ヘルスケアに関連するあらゆる製品・サービスを通じて、最適のソリューションを提供していきます。
また、当社では、健康状態ごとの課題を解決するため、「健康」「未病」「病気」「リハビリ・介護」の4つに健康状態を分類。当社が重点領域として定める9つの取り組み領域と4つの健康状態を組み合わせ、幅広い製品・サービスを提供しています。

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