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統合報告書

統合報告書 2024

東和薬品が応える社会課題

世界でも高い充実度を誇る、日本の国民皆保険制度。この制度を維持していくには、一人ひとりが医療費を節約しなければなりません。その点、「ジェネリック医薬品を選ぶ」ことは、誰もが簡単にできる節約法であり、身近なところでできる社会貢献のひとつです。当社では、ジェネリック医薬品事業をコア事業としつつ、人々の健康に貢献する関連事業を創出していくことで、社会課題に応えていきます。

課 題ジェネリック医薬品で
医療費の削減に貢献

Q 増え続ける医療費をどうする

日本の医療費問題とジェネリック医薬品の重要性

日本の医療費は高齢化の進行などにともない年々増加しており、2021年度の時点で約45兆円に達しました。厚生労働省の試算では、2025年には60兆円を超えると予測されています。増大する医療費は、国民皆保険制度の持続可能性を脅かしており、解決策が求められています。

一方で、保険料や税金等を支える労働人口が減少していることから、国民皆保険制度の前提が崩れかけています。医療費がこのまま試算通りに膨らみ続けると、今まで当たり前に受けられた医療が受けられなくなったり、窓口負担や税金が上がったりという事態が想定されます。今後、国民皆保険制度を維持していくため、医療費の増大に歯止めをかけることが欠かせません。

こうした状況の中で、ジェネリック医薬品の役割はますます重要になっています。ジェネリック医薬品は、先発医薬品と同等の効果を持ちながらも価格が低いことから、年間で約1.6兆円の医療費削減が可能です。これは、患者さまが支払う薬代の軽減にもつながります。さらに、ジェネリック医薬品の普及は、医療機関や薬局のコスト削減にも寄与し、ひいては医療システム全体の効率化に貢献します。




ジェネリック医薬品の信頼回復と
医療制度の持続可能性

ジェネリック医薬品の重要性が増す中で、一部製薬会社における、医薬品、とりわけジェネリック医薬品の信頼を著しく失墜させた違法行為は誠に遺憾です。ジェネリック医薬品に対する信頼の回復は、患者さまが安心して治療を受けられる環境を整えるためにきわめて重要です。ジェネリック医薬品の品質や信頼性に対する懸念が残っている現在、これを払拭するためには、製造工程の厳格な管理と透明性の高い情報提供が不可欠といえます。そして、患者さまが安心してジェネリック医薬品を選択できる環境を整えることが、持続可能な医療制度の実現に向けた鍵となります。

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ジェネリック医薬品 品質向上や付加価値創造に取り組む製品総合力No.1の製品づくり

ジェネリック医薬品のさらなる品質向上と安定供給体制の強化

東和薬品では、日本の医療費削減と持続可能な医療制度の実現に貢献すべく、ジェネリック医薬品の開発と提供に尽力しています。現在、さまざまな疾患領域をカバーするため、700品目以上の医薬品をラインナップしています。


製品開発においては、新薬と有効性・安全性が同等であることはもちろん、最新の技術と設備で、製品の価値を高める研究を行っています。また、改良・改善を重ねた「東和品質」の製品を提供するため、製品の品質向上や付加価値創造に取り組んでいます。

そして、ジェネリック医薬品の安定供給を確保するため、原料調達から製造、在庫管理までを包括する供給体制を整えています。当社では現在、大阪、岡山、山形に生産拠点を設け、3工場合わせて年間140億錠の生産が可能です。さらなる需要増に対応するため、年間175億錠の生産能力に向けた増産体制を構築中です。

こうした生産体制のもとで途切れのない供給を実現するための取り組みを強化し、医療機関や患者さまに必要な医薬品を常に提供することを目指しています。この供給体制の強化は、医療現場での信頼を築き、患者さまの治療を支える基盤となっています。

東和薬品の創薬イノベーション

東和薬品では、新薬と有効性・安全性が同等のジェネリック医薬品を製造するのに加えて、創薬における技術革新を通じて、服用される患者さまの目線に立った医薬品の開発に取り組んでいます。

RACTAB®技術

溶けやすさと硬さという相反する性質の両立を追求し、水なしでも飲めるOD錠(口腔内崩壊錠)をつくるための、当社独自の技術です。高齢などで飲みこむ力が弱い、もしくは水分摂取を制限されている患者さまにも、飲みやすいお薬をお届けしたい。また、外出先などどこでも必要なときに水なしでも飲めるお薬をつくりたい。こうした願いから開発しました。

FINEST-Pow®FINEST-Gran®FINEST-Core®

服用時の苦味抑制や徐放性など、さまざまな機能を機能性粒子に持たせるためのコーティング技術です。これによって苦味を感じにくくなり、より飲みやすいお薬となるよう、苦味を包み込む効果を発揮します。原薬の苦味抑制をはじめ、徐放性や腸溶性、分散性向上など持たせたい機能に合わせて、3種類のコーティング技術を生み出しました。

ARTICRE®技術

規則正しく並んでいる原薬の原子を、不規則に並んだ状態あるいは分散させて、薬の溶解性を向上させる技術です。安定性の低いものや溶けにくい原薬がある中で、原薬を担体となるポリマーなどの水溶性高分子中に分散。これにより、原薬は担体にからめとられることで安定性が改善。また、原薬の結晶の状態が変化、あるいは分散するため溶けやすくなります。

課 題健康寿命の延伸と
疾病予防に貢献

Q 進行する超高齢化社会

健康寿命の延伸と疾病の予防

超高齢化社会を迎えている日本では、人生100年時代に向けた健康寿命の延伸が重要な課題となっています。健康寿命とは、WHO( 世界保健機関)が2000年に提唱したものです。従来、0歳児が何年生きられるかを表した平均寿命が重視されてきましたが、近年、健康に生活できる期間である健康寿命が注目されています。健康寿命の延伸に向けては、疾病を予防し、健康で活動的な毎日を過ごすことが大切といえます。また、医療費の抑制という観点からも健康寿命の延伸が欠かせないものとなっています。

東和薬品が目指すのは、「人生100年時代に向けた総合ヘルスケアカンパニー」として健康寿命の延伸に寄与することです。ジェネリック医薬品の製造販売にとどまらず、ヘルスケアに関連するあらゆる製品・サービスを通じて、最適なソリューションの提供に努めています。

具体的な取り組みである健康関連事業の展開では、健康状態ごとの課題を解決するため、「健康」「未病」「病気」「リハビリ・介護」の4つに健康状態を分類。そして、当社が重点領域として定める9つの取り組み領域と4つの健康状態を組み合わせ、幅広い製品・サービスを提供しています。さらに、多様化する地域社会の課題解決を通じて、地域で暮らす全ての人に必要とされる企業を目指して、地域とともに育む健康共創フィールドを展開。人と地域をつなげるコーディネーター役として、健康関連事業に積極的に取り組んでいきます。

※クリックして拡大できます

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健康関連事業 ヘルスケアに関連する製品・サービスを通じて、最適なソリューションを
提供していきます。
  • 認知機能セルフチェッカー

    VRと視線追跡技術を組み合わせた認知機能テストサービスです。「神経心理学的検査」をベースに5つの領域(記憶・注意・言語・計算・空間認識)より出題され、正解を見つめるだけで認知機能を5分で評価します。

  • サバローサカレー

    三重県多気町の特産品である前川次郎柿を使用し、スパイシーな辛味の中にもまろやかなコクと甘みが味わえます。1食あたり、塩分が1.2g、原材料のサバ由来のDHA・EPAが合計320mg含まれています。
    ※一般財団法人日本食品分析センター調べ

  • Minoプラス

    第1類医薬品の発毛剤です。髪のお悩みを意識し始めた方にも手に取ってもらいやすいよう、生活に自然と溶け込むデザインにこだわりました。発毛成分ミノキシジルに4つの成分をプラスした複合剤タイプです。
    ※ パントテニールエチルエーテル、ピリドキシン塩酸塩、トコ フェロール酢酸エステル、ℓ-メントール

  • ヘルスケアパスポート

    生活者個人に紐づく健康・医療情報をPHR(Personal Health Record)として管理し、医療従事者や家族と双方向に共有することで、適切な医療の提供と健康増進を可能とするクラウド型PHR基盤サービスです。

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