IR・投資家情報

統合報告書

統合報告書 2025
安定供給への取り組み

175億錠体制の実現に
向けて、
国内外で増産と
安定供給を推進

上席執行役員 生産本部長
田畑 哲朗

特 集
01

山形工場第三固形製剤棟が
本格稼働し、175億錠生産体制が
完成します

2023年11月に竣工した山形工場の第三固形製剤棟へ導入した全ての設備の立上げバリデーションが完了して、2025年10月から本格稼働を開始します。これにより、東和薬品の3工場を合わせた固形製剤の生産能力は年間175億錠になります。

第三固形製剤棟には、効率化と少子高齢化対策として、自動化、無人化設備を導入しました。包装工程では、包装資材の自動供給を可能にすることにより、少人数での24時間稼働が可能になります。同時に竣工した山形工場の第二無菌製剤棟でも、2025年度中には、導入したバイアル製造ラインで製造を開始し、バイアル製剤の生産能力は、現状の2倍の年間1,000万本となります。

東和薬品はジェネリック医薬品のリーディングカンパニーとして、引き続きジェネリック医薬品の安定供給に積極的にチャレンジしていきます。

大型設備の導入と製造工程の
自動化を進め、さらなる生産性向上
に取り組む

医薬品の安定供給問題が起こる中、当社としての安定供給責任を果たすため、増産に向けた新規設備の導入と増員に取り組んでいます。2023年11月に山形工場 第三固形製剤棟および第二無菌製剤棟の建設工事が完了し、2024年4月から第三固形製剤棟で製造した製品の出荷を開始、2025年10月から全ての設備立上げが完成し、本格稼働いたします。これにより、山形工場の生産能力は100億錠となります。2025年度は当社で162億錠の生産を計画しており、2026年度には175億錠の生産能力となる見込みです。既存棟でのフル生産を行いながら新棟の立ち上げを行うため、他本部・他工場から業務応援を募って、全社サポートで安定供給体制の早期構築を進めています。

第三固形製剤棟では、スケールメリットを活かした効率的な生産と自動化および省人化を推進し、さらなる生産性向上に取り組んでいます。国内最大クラスの仕込み量や生産能力を持つ設備を多く導入しているほか、包装工程では、包装資材の8時間以上自動供給、製品の自動搬送が可能となりました。特にカートナー機は、使用する個装箱について自動倉庫からの搬送、設備への供給までを完全自動化し、業務効率の向上に大きく貢献しています。当社ホームページにて山形工場の「バーチャル工場見学」も公開しておりますので、是非ご覧ください。

グループとしての生産体制を強化し、
国内供給の安定化を推進

当社では医薬品の安定供給問題の解消に向けて、東和薬品3工場での増産に取り組むほか、グループ会社の設備能力を有効活用した供給体制の構築にも取り組んでいます。

その中で、Towa INTとのグループシナジーの創出に向けた取り組みの一環として、同社傘下のTowaPharmaceutical Europe, S.L. がスペインで運営するマルトレージャス工場にて、2024年2月にエソメプラゾールカプセル10mg/20mg「トーワ」の製造所の追加に関する一変申請の承認を取得しました。

Towa INT マルトレージャス工場

同工場では大型造粒機を用いた大量かつ効率的な生産という強みを活かし、欧米の市場に製品を提供してきました。この度、日本市場に向けた製品を製造することで、グループとしての生産バックアップ体制の強化につなげるとともに、現在課題となっている国内の安定供給へ貢献してまいります。

東和薬品グループの総力を挙げて
の増産、そしてバックアップ体制等
の強化

取締役 竹安 正顕

取締役
竹安 正顕

国内ジェネリック医薬品の不安定供給の現状を一刻も早く解消し、将来に亘り安定供給を確実なものにすることが、社会から強く求められています。東和薬品は175億錠の供給体制を速やかに整え実現するとともに、マルトレージャス工場をグループ内の重要な生産拠点と位置づけ、その技術力を活かした増産にも取り組んでいます。同工場は、昨年PMDAの認定を受け、既に日本向け製品を増産しており、今後他製品へと拡大することでさらなる貢献が期待されます。このことは、将来のリスクや有事に備え、グループとしての生産バックアップ体制の強化につながる重要な活動と認識しており、その体制構築に鋭意取り組んでいきます。また、相互の技術交流を通じ、常に患者さん、医療者に必要とされる東和品質の医薬品の開発・生産そして改良を、より効率的に進め、さらなるシナジーの創出を目指していきます。

取締役 竹安 正顕

取締役
竹安 正顕

東和薬品の日本における医薬品
安定供給の一翼を担う

執行役員 久保 盛裕

執行役員 国際事業担当
久保 盛裕

東和薬品グループの一員として日本向けの医薬品を供給するために、Towa INTは日本基準と東和品質を満たせるように努力し、今では東和薬品の日本での医薬品安定供給に貢献できるようになりました。Towa INTで製造する東和薬品向けの製品は、Towa INTの知識とノウハウが活かされている大型造粒機を活用することで、効率的な生産を実現しています。新たに日本向けに供給する製品の検討が始まっており、東和品質の医薬品としてスペインのマルトレージャス工場からさらに多くの製品を供給していくことで日本の国民の皆さまに貢献したいと思います。また、製品だけでなく、Towa INTの大型造粒機の知識とノウハウを東和薬品へ供給し、東和薬品での効率的な生産にも貢献します。今後も東和薬品と連携してシナジーを創出していくことに尽力します。

執行役員 久保 盛裕

執行役員 国際事業担当
久保 盛裕

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