IR・投資家情報

統合報告書

統合報告書 2023
安定供給

生産能力を引き続き増強し
ジェネリック医薬品の
安定
供給に関する社会的使命
を果たしてまいります

上席執行役員 生産本部 管掌
兼 山形工場総工場長

菅野 隆行

特 集
01

安定供給に対する懸念が続く中、生産能力の増強および生産効率化をさらに進めてまいります。

安定供給に向け
チャレンジを続けていきます

国内ジェネリック医薬品は数量シェア80%を超え、重要な社会インフラのひとつとなりました。私たちジェネリックメーカーの安定供給に対する責任はより一層重くなっています。しかし、残念ながら、昨今のジェネリック医薬品企業における品質問題を起因とした供給不安の状況は続いています。

東和薬品は、ジェネリック医薬品メーカーのリーディングカンパニーとして、安定供給の責任を果たすために、増産に向けた新規設備の導入と増員に取り組んできました。生産能力は2022年度下期には年間140億錠になりました。また、さらなる安定供給体制を構築するため、2023年10月までに山形工場に第三固形製剤棟を建設し、2024年度以降、年間175 億錠の生産能力を実現する計画です。

同時に山形工場に第二無菌製剤棟を建設し、バイアル製剤の生産能力を年間500万バイアルから1,000万バイアルの2倍にする計画です。建設中の新棟では、効率化と少子高齢化対策として、自動化・無人化設備を積極的に導入して、要員数を大幅に削減する計画です。

バックアップ体制の構築と生産の効率化(スケールアップ、シリーズ生産等)にも積極的に取り組んでいます。
東和薬品は、引き続きジェネリック医薬品の安定供給という社会的使命を果たすため積極的にチャレンジを続けていきます。

製造設備のスケールアップなどを
通じて生産効率化を推進

当社では、長年にわたりジェネリック医薬品の品質と安定供給に努めており、市場において揺るがぬ信頼を得ております。一方で、同業他社の一部がGMP(医薬品の製造管理および品質管理の基準)の違反による業務停止命令などを受けたことから、製品の供給に支障を来す事態が続いています。これに対して、当社に対する製品の引き合い数量が、生産能力を上回る状況が続いており、2023年度においても一部の製品について出荷調整を実施せざるを得ません。

こうした事態に対して、当社は継続して生産体制の増強を進めており、ジェネリック医薬品の需要量に応えるべく尽力しています。併せて、生産現場では生産効率化を図ることで時間あたりの生産数量の増加に注力しています。そのひとつとして、錠剤の製造設備をスケールアップすることで効率化につなげています。また、従来はバッチ製造方式といって、少量・多品種生産を行っていたのに対して、まとめ生産方式を採用することで、1回あたりの生産ロット数を増やし、少ない時間の中で大量生産を可能にしています。今後もジェネリック医薬品の安定供給という社会的使命をしっかり果たしてまいります。

スケールアップによる効率化(イメージ図)

製造設備例:流動層造粒乾燥機
POINT
  • スケールアップすることにより、時間工数の削減ができる
  • 時間あたりの生産数量を増やすことができ、効率化につながる

※同スケール・同工程の複数品目における平均工程時間(準備・組立および切替・洗浄含む)にて算出

まとめ生産方式による効率化(イメージ図)

製品Tでの例:生産ロットスケール 200万錠 [B工程]

この表は左右にスクロールできます

POINT
  • 1回の生産におけるロット数(バッチ数)を増やすことにより、固定工数が削減できる
  • 6ロット バッチ製造方式をまとめ生産方式に変更
    ▶︎時間工数:約45%削減

3工場の生産体制による生産能力向上

2023年度までに、175億錠の生産能力に向けた生産体制を構築

※錠剤・カプセル剤の生産能力
生産能力:実際に製造できる錠数 生産体制:設備を導入後、製造可能となる錠数

増産計画を着実に実行しています

2023年10月には山形工場の新棟建設が完成し、2024年4月から順次稼働開始し、出荷に向けて進んでまいります。こうした取り組みを通じて、中期経営計画に掲げている通り、2025年度には175億錠の生産体制を実現してまいります。

IR・投資家情報TOPへ戻る